2009年11月04日

遺伝:miRNA と mRNA の相互作用

遺伝子発現の調節に、阻害性マイクロ RNA (miRNA) による遺伝子サイレンシングが重要なのは、現在では広く認められています。

しかし、miRNA によるメッセンジャー RNA の調節に必要なのは、両方の配列のごく短い部分(8 ヌクレオチド以下)が相補的であることだけなので、予想される多くの mRNA 結合部位の中のどれが in vivo でそれぞれの miRNA の標的となるのかを確定することは、ほぼ不可能だとわかっています。

今回、広範に存在するエンドヌクレアーゼで、 RNA 誘導性サイレンシング複合体の一部である Argonaute タンパク質と、 miRNA および mRNA との相互作用に注目する巧妙な HITSCLIP 法により、 mRNA 転写産物の miRNA 結合部位の正確なマップが解読されました。

この方法は、一般的応用が可能なので、 miRNA の生物学的役割の解明のための新しい手法となりそうだといいます。

また、このマップを用いて、臨床にかかわる mRNA に対する RNA 干渉(RNAi)療法の標的部位を決定できるといいます。


### see dada / data bace ###
nature 460,429-544 23 July 2009 Isse no 7254
Article p.479
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2009年11月02日

海洋:古細菌のアンモニア酸化

好機的アンモニア酸化は地球の窒素循環の重要な過程の1つです。

この反応の触媒を行っているのは、わずかな種類の細菌のみだと考えられていましたが、広く分布する古細菌種も同じ反応を行っていることが数年前に発見されました。

今回、SCM1 という海洋性古細菌分離株の研究により、この株がアンモニア酸化細菌をはるかに上回るアンモニア親和性を持つことが明らかにされました。

このことは、貧栄養性の海洋で海洋性古細菌がほかの微生物と十分に競合できることの説明となり、海洋の窒素循環における硝化作用は、現在通用している生物地球化学的モデルで考えているより、ずっと広範に行われていると考える説を裏付けています。


### see dada / data bace ###
nature 461,837-1018 15 Ocyober 2009 Isse no 7266
Letter p.976

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2009年10月24日

発生:活性酵素の有用な働き

活性酵素種(ROS)については、主に DNA 損傷、タンパク質や脂質の酸化やアポトーシスでの有害な影響が調べられてきましたが、組織によっては ROS にも有益な効果があることが次第に認められつつあります。

(nature 461,439-558 no.7263)
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2009年02月26日

アポトーシス

 natureを愛読して10年になるが、なんだ…。

 スプライトソームはメッセンジャーRNA一次転写物を成熟に導くことで最もよく知られている。この酵素複合体は、染色体端末を維持する酵素の1つの合成にも関わっていることがわかった。(nature 456,837-1008 no.7224)


### 参照 ###
telomerase RNA
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工学:超伝導体の明らかな転身

 複合酸化物間の界面は、凝縮系物理学における最も興味深い系の1つであることが明らかになりつつあるという。

 並進対象が人為的に破られているこの特殊な条件では、さまざまな新しい電子相や異常な電子相の出現が促進されている。

 電場は修復系の新しい手段になることから、Schlom & Ahn は、この方法をナノスケールの酸化物面で用いて、二次元超伝導体の物理学的性質が調べられた。

 これらの背景から、「LaAIO3/SrTiO3界面基底状態の電解制御」について A D Cavigliaらの報告が取り上げられた。

 理論研究では複雑な相図が予測されており、系の基底状態の決定に電化キャリア密度が果たす重要な役割が示唆されている。特に興味深い系は、バンド絶縁体である LaAIO3 とSrTiO3 間の導電性界面である。

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2009年02月24日

医学:高病原性H5N1インフルエンザウイルス由来のNS1のX線構造

高病原性鳥(H5N1)インフルエンザウイルスの最近の出現、このウイルスの同種動物間で伝染する性質や致死性ヒト感染との関連は、健康に関する懸念を世界中で高めているのは、報道などで一般的に既に知られている話だろう。

因みに、H5N1が宇宙から来たウイルスであるという科学的知見の報告はこれまで上がっていない。

幾つかの研究により、病原性の増大やこれらの型の毒性には、明確な構造をもたないタンパク質NS1が重要である事がはっきり示されている。

二本鎖(dsRNA)結合ドメインとエフェクタードメインの2つがリンカーにより隔てられているNS1は、宿主の抗ウイルス性I型インターフェロン応答に対するアンタゴニストの1つとされる。

今回、BornholdtとPrasadらは、ベトナムでの大流行におけるヒト死亡の60%に関連していたH5N1型(A/Vietnam/1203/2004)由来の完全長NS1のX線構造を報告している。

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2009年02月19日

細胞:真核生物のエキソソームによるヌクレオチドRNA切断

 エキソームは真核生物の主要なヌクレアーゼで、核と細胞質の間に局在し、多数の細胞内RNAのプロセシング、品質管理、代謝回転に関わっている。

 この巨大なマクロ分子集合体は 3'→ 5' エキソヌクレアーゼと考えられており、古細菌のエキソソーム様複合体や細菌のポリヌクレオチドホスホリラーゼと進化的に関連する9個のサブユニットから環状構造を有する事が示されている。

 最近の研究結果においては、酵母やヒトの環状構造は、原核生物の対応する環状構造とは異なり、酵素活性を持たないことが示され、これとは対照的に、酵母のエキソソームコアのエキソヌクオチド切断活性は、真核生物特異的なDis3サブユニットのRNBドメインによって仲介される事がわかっている。
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posted by 藤次郎 at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | discovery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

腫瘍:リボソームタンパク質ハプロ不全により

 リボソームタンパク質ハプロ不全により Myc の発がん性が制御されるという。

 Myc がん遺伝子は、リボソームタンパク質、翻訳開始因子、RNAポリメラーゼIIIやリボソームDNAなど、タンパク質構成装置を構成する諸因子の発現を制御している。

 細胞のタンパク質合成能の亢進が発がんに通じる多段階過程に影響を及ぼすか比か、また及ぼすとすればどのように影響しているのかは、まだ明らかにされていない。

 M Borna らの本論文では、リボソームタンパク質がヘテロ接合体であるマウスを遺伝学的な手段を用いて、Eμ-Myc/+ トランスジェニックマウスでのタンパク質合成の亢進を正常レベルに戻し、このような状況では Myc の発がん性が制御される事を示している。

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posted by 藤次郎 at 14:19| Comment(1) | TrackBack(0) | model case | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月18日

細胞:in vivo での細胞運動の接触阻止

 in vivo での細胞運動の接触阻止は神経冠の方向性のある移動を制御しているという。

 細胞運動の接触阻止は50年以上前に Abercrombie によって発見された。

 in vitro で繊維芽細胞が互いに接触すると突起分が引っ込んで、方向転換をする現象として知られる。

 この機能が障害されると、悪性浸潤の一因となることが示唆されているが、細胞運動の接触阻止の分子基盤、また、in vivo でもこれが起こるかどうかはまだわかっていない。

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2009年02月07日

医学:ALKが神経芽細胞腫を引き起こす

 神経芽細胞腫は、最もよく見られる小児がんである。この疾患は加須気歴と強く関連するため、発症には遺伝的要因が関与する事が30年以上前から予測されていた。今週業では、神経芽細胞腫患者では受容体型チロシンキナーゼALK(anaplastic lymphoma kinase)に異変が変じている事を、4つのグループが報告している。

 ALKは神経芽細胞胞腫の要因遺伝子の役割を果たしており、散発性の神経芽細胞腫では体細胞に点突然変異が生じている。この異変は、in vivo で ALK のキナーゼ活性を促進し、細胞を形質転換させ、腫瘍活性化が見られるようになる。ALK阻害剤は神経芽細胞腫の細胞増殖を抑制するため、抗がん剤となる可能性があるという。

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posted by 藤次郎 at 01:16| Comment(1) | TrackBack(0) | model case | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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