Rucci らは、心理物理学的な実験と統計解析を組み合わせて、眼球運動の視覚への影響を相殺するような視覚シグナルについて調べ、この眼球運動がなければ、きめ細かな情報の知覚が減退することを示した。
したがって、注視時眼球運動は、視覚情報の詳細を抽出するために脳がとっている戦略の一部であると考えられる。
参考文献:
nature Vol 449 | Issue no.7140 | 753-884 | 14 June 2007
This Issue p.xviii / An eye for detail
Letter p.851 / Miniature eye movements enhance fine spatial detail / ボストン大学(米) M Rucci et al.
我々の眼は常に動いている、注視の最中でさえ小さな眼球運動が注視点を絶えず小刻みに変動させている。網膜上の像の動きを実験的に止めてしまうと、視覚認知が低下する傾向があることが知られている。
しかし、自然な視覚活動中に、注視時の眼球運動が視覚像の消失を防ぐ機能のほかにも機能を持つのかについては、長く議論が続いている。
この研究では、自然な像と似たパワースペクトルを持つノイズで像を隠したとき、格子模様のがん別に注視時の眼球運動が影響を与えるかどうかをヒト被験者で分析した。
網膜像を固定する新たな方法を用いて、注視と注視の間の眼球運動に通常起こる網膜上の像の働きを選択的に除いた。
その結果、注視時眼球運動は高い空間周波数の刺激についての判別を改善するが、低い空間周波数の刺激には効果がないことがわかった。
この改善効果は、注視時眼球運動が網膜への視覚入力に導入する時間的調節に由来するもので、これによって空間周波数の高い高調波成分が強調される。
低空間振動数成分が主体である自然の視界世界にあっては、視覚が空間のディーテールについての処理を強調する上で、注視時眼球運動は効果的なサンプリング戦略を構成しているようである、という。
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