2006年06月15日

進化:「生きた化石」が示す

 ダーウィンの「いまいましい」謎が再考された。

 被子植物はほとんどの場所でみられるが、その起源はわかっておらず、チャールズ・ダーウィンはこの問題を「いまいましい謎」と呼んだ。

 だが、今回、「生きた化石」というべき被子植物種を調べることにより、最初の被子植物は激しい「進化実験」の時代に出現した可能性があることが明らかにされた。

 W Friedman は、大昔に現れた系統に属する遺存種アンボレラ( Amborella trichopoda )の胚嚢に関する発見を報告している。

 この植物では、発生に際して生殖装置の雌性部分(胚嚢)にみられる細胞の数が、現存する大半の被子植物の胚嚢でみられる細胞の数と異なっていたという。

 この思いもよらない違いから、植物の発生の柔軟性が特に高かった大昔に、花を咲かせるという一見コストのかかる方式への臣下が容認された状況下で被子植物が出現した可能性が考えられるという。


 古代の植物系統の生き残りであるアンボレラに関する詳細な研究から、被子植物の生殖器官の構造がどのように進化したかについて、新たな見解が付け加わることになった。

参考文献:
nature Vol 441 | Issue no.7091 | 255-382 | 18 May 2006 | News and Views p.298 / Evolution : Experiments in botany / Hanry Gee

 被子植物系統分類の再構築、古植物学、および比較多様性生物学の近年の進展により、被子植物の多様化の初期段階は大幅に見直されることとなった。

 現在のところ、被子植物の出現からの 1500 万年の間に大きな 3 本の系統(単子双子葉類、真正モクレン類 ( eumagnoliid ) 、真正双子葉類)が明確に分岐し、この時期に栄養器官や花器官の特徴に大きな多様性が生じたことが知られている。

 下記に「被子植物の初期進化の間に発生の不安定性があったことを示す発生学的証拠」について報告された内容を示す。

参考文献:
nature Vol 441 | Issue no.7091 | 255-382 | 18 May 2006 | Letter p.337 / Embryological evidence for developmental lability during early angiosperm evolution / コロラド大学ボールダー校(米) W E Friedman

 本論文では、アンボレラがもつ新奇な胚嚢(被子植物の雌性配偶体であり半数性卵を生成する構造体)について報告されている。

 アンボレラは現存する最古の被子植物系統に属する唯一の種である。

 被子植物の胚嚢構造における新たなパターンの発見は、ここ 50 年以上されていなかった。

 今回の発見は、被子植物進化の最も初期の頃に大規模場「発生の実験」や構造の不安定性があったとする新しい見方を裏付けるものであり、被子植物の祖先である裸子植物との重要なつながりを示している可能性があるという。



 何しろ、流れはポストゲノムである…。

 それは( 50 年以上発見が成されなかったのは)、忘れられた存在であったのかもしれない。
posted by 藤次郎 at 08:33| Comment(0) | TrackBack(0) | frontiers | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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