2006年05月23日

気候:人為由来の大気循環を示すシミュレーション

 19 世紀中頃から地球表面は温暖化しており、モデル研究からは温暖化の一部が人間活動による大気放射バランスの変化によって引き起こされたことが示されている。

 また、単純な理論から、地球温暖化によって平均的な熱帯大気循環が弱まることが示唆されてている。

 熱帯循環の重要な性質の 1 つは、赤道太平洋にわたって起こる大規模な東西方向の大気の鉛直循環運動である。

 これは、西側での対流活動と東側での沈降流れが駆動するもので、ウォーカー循環として知られている。

 下記に「人間的活動が強制力となった熱帯太平洋上の大気循環の弱まり」について報告された内容を示す。
参考文献:
nature Vol 441 | Issue no.7089 | 1-126 | 4 May 2006 | Letter p.73 / Weakening of tropical Pacific atmospheric circulation due to anthropogenic forcing / 米国海洋大気庁 G A Vecchi et al.

本論文では、19 世紀中頃から熱帯太平洋における大気循環の変化を、観測結果と一連の全球気候モデル実験を用いて調べたものが示されている。

 そして、太平洋とインド洋の海面気圧の観測値から、ウォーカー循環が弱まっていることがわかった。

 この傾向の大きさは理論的な予測と一致し、気候モデルによるシミュレーションで正確に再現され、モデルの範囲内では人間活動の与える強制力が主な原因となっている。

 気候もであるは、地表風速が弱まることで熱帯太平洋の熱的構造と循環が変化することを示している。

 これらの結果は、21 世紀を通じて熱帯の大気循環がさらに弱まるというモデルの予測結果を裏付けるものである。



 …ということで、21 世紀を通じて熱帯の大気循環がさらに弱まるというモデルの予測結果を裏付けする結果が報告された。

 2005 年に入り、これまで大気中の二酸化炭素量は今後の 100 年間で 75 % 〜 150 % 増えると予想されており、それに伴って植物の増殖も盛んになると考えられてきたが、実は植物の CO2 吸収能力には限界があるらしいことがわかっている。

 熱帯の大気循環がさらに弱まり、植物の CO2 吸収能力に減少ないし限界に達した場合、さらに温暖効果が増すことが考えられる。

 子供の頃に見た『日本沈没』を現実に見るのは、どれくらいかかるだろう?

 今から『わたつみ号』を製作しておくとよいかもしれない。
posted by 藤次郎 at 08:18| Comment(0) | TrackBack(0) | model case | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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