2006年05月25日

進化:硬骨魚類の頭蓋の秘密を握る化石魚類

 新たに発見された 4 億年以上前の化石魚類は、現在の地球で繁栄をとげた脊椎動物の 2 大系統の根源をつなぐ存在となるかもしれない。

 中国の雲南省で出土したこの化石類は、現生魚類の大部分を占める条鰭類硬骨魚と、現在の陸生脊椎動物の祖先を生み出した肉鰭類硬骨魚の両方の特徴を合わせもっている。
 古代魚の化石として見つかったのは 4 体分の頭骨部分で、頭蓋骨は現生魚類の大部分を占める条鰭類のものとそっくりである。

 しかし、この頭蓋の細かい解剖学的特徴は、コズミンの進化上の起源に関する手がかりにもなりそうだという。

 コズミンとは多くの化石肉鰭類(やがてここから陸生脊椎動物が現れた)にみられる固い体表組織である。

 この特異な魚について報告している M Zhu らの説明によれば、コズミンの特徴は、体表組織内でみられる細孔と細管が網目状に繋がった構造と、それに重なるエナメル質を素材とする単層構造である。

 4 億 500 万年前のこの化石では、細孔・細管の網目構造の上にエナメル質の層が数層重なっていることから、コズミンはこれらの層のうち 1 層だけを残してそれ以外のすべてが消失しててきたと考えられている。


 硬骨魚類(硬骨をもつ脊椎動物)には、条鰭類(真骨魚類および近縁群)と肉鰭類(シーラカンス類、肺魚類、四肢動物)が含まれる。

 条鰓類の初期系統( Dialipina や Ligulalepis など)と肉鰭類の初期系統( Psarolepis や Achoania など)の両方にみられる特徴がいくつかあるものの、この 2 つの系統間の形態の隔たりは依然として大きく、肉鰭類がどうやってコズミンと呼ばれる皮膚表面の被覆構造(細孔と細管が網目状に繋がった構造と、皮歯とエナメル質からなる単層でできている)を発達させたのかは、まだよくわかっていない。

 下記に「原始的魚類から硬骨魚類の初期系統発生を理解するための重要な形質が見つかった」ことについて報告された内容を示す。
参考文献:
nature Vol 441 | Issue no.7089 | 1-126 | 4 May 2006 | Letter p.77 / A primitive fish provides key characters bearing on deep osteichthyan phylogeny / 中国科学院 M Zhu et al.

 本論文では、原始的な化石魚類の新属新種、Meemannia eos について報告している。

 この魚類は、条鰭類に似た頭蓋と、細孔と細管の網目構造(各種の化石肉鰭類でみられる)に皮歯・エナメル質の多層構造(条鰭類と一部の棘魚類にあることが既に知られている)が組み合わさったコズミン様の皮膚表面を備えている。

 中国雲南省のデボン紀前期層で出土したこの 4 億 500 万年前の魚類は、多くの化石肉鰭類でみられるコズミンが、細孔と細管が網目状に繋がった構造を獲得した後に、以前に作られた皮歯。エナメル質の層を再吸収する能力を発達させるという段階的な生じ方をしたことを示しているという。

 Meemannia は、硬骨魚類の系統発生の初期を研究するために重要な形質を与えるもので、また条鰭類と肉鰭類の共通先祖として考えられる形質型の 1 つを示しているらしい。
posted by seed at 08:16| Comment(0) | TrackBack(0) | frontiers | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/18765446

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。