2006年05月07日

気候:気候感度を絞り込む

 将来の地球温暖化の規模や影響は、温室効果ガスの温度変化に対する気候システムの感度に依存する。

 大気中の二酸化炭素濃度の倍増に対する全球平均気温の平衡状態での変化幅は気候感度と呼ばれ、一般に 1.5 〜 4.5 K とされている。

 しかし、複数の観測研究からは、気候感度が非常に高くなる確率がかなりあることがわかっており、気候感度の上限値として 7.7 〜 9 K を超える値が得られている。

 このことについて、検証された結果が発表されたが、着目点はいいとして、検証の仕方が流体的な地球環境モデルからの計算結果ではなく、極所での静的なモデルを使用しての結果であるので、どうも腑に落ちない。

 下記に「過去700年にわたる気温の復元から気候感度を絞り込む」ことによって得た結果について報告された内容を示す。
参考文献:
nature Vol 440 | Issue no.7087 | 969-1088 | 20 April 2006 / Letter p.1029 / Climate sensitivity constrained by tempreature reconstructions over the past seben centuries / デューク大学(米) G C Hegerl et al.
 
 本論文では、過去 700 年にわたる北半球の気温を復元して検討を行うと、気候感度の観測からの推定値の変化幅がより狭められることを示している。

 筆者らは、多くのアンサンブル要素を含むエネルギー収支モデルを用いて、過去の日射、火山、温暖効果ガスによる強制に対する気温の応答をシミュレートし、どの気候感度ならば代理復元データと整合的な結果になるかを決定したという。

 復元と過去の外部強制力を見積もる過程での不確定性を考慮した結果、計測データから得られるものとよく似た気候感度の推定値を独立に得ることができたらしい。

 計測からの推定値をすべての代理復元結果からの 95% の範囲が 1.5 〜 6.2 K の変化幅に狭まり、したがって気候感度が非常に高いという確率はかなり小さくなったという。



 遅れているといえばそこで言ってしまえば、それまでなのだが…。

 地球環境科学が一般的に知られるようになる前の一昔より以前であるならば、この結果は納得できたかもしれない。

 これは、気候という一つのジャンルで見てしまえば陥りやすい見解なのかもしれないが、今時地球環境科学の総合的な見解をとり入れないというのも珍しい。

 尚、今回取り上げたものが最先端レベルではなく、グローバルな視点で研究されているものには、ほぼ平均した値が得られている。

 そして、妥当と思われる予測が立てられるいるものも多い。

 しかし、そうではないものは、非常に多い…。

 仮想地球シミュレーションについては特にそうである。

 つまり、気候変動の見解について、まだばらつきがあるということになる。

 因みに、nature 誌においては、今週のハイライトで取り上げられるほど、納得済みの肯定されたかたちで報告されていた。

 地球環境はそもそも循環する流体的な構造をもっているので、全体的な振る舞いを計算した上で、さらにその中での 1 部分として計算しなければ、妥当な解が得られないと思うのだが…。

 何しろ、生物種の DNA の誤差を計算するだけでも視野のスケールが変わるだけで、(数字は小さいが)物理上では大きな差が出る。

 確実性がない パネルの発表について学者たちが「問題がある」という意見が nture 誌で取り上げられていたが、尤もな話である。

posted by seed at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | scientific situation | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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