2006年04月18日

気候:汚染物質に関連した温室効果ガスの増加

 北極域の気候が人為起源の温室効果ガスの影響に特に受けやすいこと、また、北極域の地表面温度が今後 100 年間を通して全地球平均温度の約 2 倍の速度で上昇するとの予測は、たいていの気候モデルに共通する見解である。

 温室効果ガスによる熱放射に対する北極域の地表面温度の反応は、北半球の総観的な気象と局所的な放射過程によって変化する。エアロゾルは、雲の放射特性を変化させることで、地表面温度の変化要因となっている可能性がある。

 下記に先日発表された「北極域の雲における長波長放射率の、中緯度起源の汚染物質に関連した増加」について報告されたものを示す。
参考文献:
nature Vol 440 | Issue no.7085 | 715-844 | 6 April 2006 / Letter p.787 / Increased Arctic cloud longwave emissivity associated with pollution from mid - latitudes / ユタ大学(米) T J Garrett & C Zhao

 本論文では、以前の研究で示唆されていた、人為起源エアロゾルが北極域の雲の放射と地表面温度に与える影響を評価した。

 アラスカ州バロウ近郊で得られたエアロゾルと放射の 4 年間にわたる地表観測結果を用いて、薄い水雲と汚染物質が共存している場所では、もやの濃度が上昇する結果、雲の長波長の放射率が増加していることを示す。

 これによって、雲天下の地表面は、3.3 〜 5.2 Wm−2 または、1 〜 1.6 ℃暖められると推定される。

 北極域の気候は、雲の長波長の放射と密接に関連しているが、気候システムに内在するフィードバック機構は複雑であり、現在の気候に対するこうした要因の影響の評価は今後の課題である、と著者たちは述べている。



 尚、余談であるが、最近 HNK オンエアされた 『サイエンスZERO』の「地球温暖化 地球の崩壊を回避せよ」で取り上げられたように、企業の排出量より一般家庭による排出量が非常に高い。

 このことから、日本では電荷製品に温室効果ガスを大量に発生させる製品を使わせないように規定をつけることを定めたのであるが、この大切なことを知っているヒトが非常に少ない。

 電荷製品に規定をかけられることについて、反対している人々が多いようであるが、今自分たちがよければ温暖化で地球環境が壊れて、ヒトや他の生物に有害な病気を発生させてもいいというのであろうか。

 尚、NHKの高校講座の物理学では、その規定の重要性を説明している。その当時、ニュースでも報道されていた。つまり、説明不足なのではなく、一般の人々が認識不足であるが故に、それを知ろうとしていなかっただけの話である。

 京都会議・議定書では先進国は 5 %の削減を要され、報告によれば(暫定的な計算により)日本は 6 %削減していることになっているが、実際には 7.4 %増加しており、さらに、家庭からの二酸化炭素は異質量は 30 %も増加している。その主な原因は家庭電荷製品が増えていることにあることがわかっている。

 もし現在の状態で人為の温室効果ガス(二酸化炭素)を発生させつづければ、100年後 二酸化炭素の濃度が現在のおよそ 2 倍になると考えられている。

 その時の気温は、地球シミュレーションの計算で、平均気温 最大で 4.2 度も上昇することがわかっている。

 こうした温暖化の影響は、環境や生物の生態系にも大きく影響する。まず、地球の氷が溶解し、海面が上昇することを意味し、2070 年には地球上の氷が消滅するという結果が得られている。

 次に危険視されていることは、病気の拡大である。その一つが熱帯の感染症であるデング熱である。この感染症は現在台湾で発生し社会問題となっている。

 2080年には沖縄や鹿児島などにデング熱が広まる危険性が出てくるであろうと推測されている。この時期には56億人まで増加することが考えられている。

 ほかにはマラリアや・コレラ・サルモネラなどから由来する病気が起こる恐れがある。

 森林への影響(砂漠化)なども考えられ、現在熱帯雨林にも、(温暖化するごとに海水温が上昇することから乾燥して「脱水する」といった状態がみられ、魚が死んでしまうという現象が起こっており)その影響が見られている。

 フィードバックが温暖化の原因となっており。温暖化が酷くなると森林が消滅する。

 現在の二酸化炭素濃度は、人類の影響2倍、森林の影響を含めると2.5倍となり、このまま温暖化が進めば各地で農業生産量が下がることも考えられている。

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)では「 2 ℃を超えるべきではない…。」と断言しているが、これは、例えば、水不足の影響を見てみれば、気温が1.7℃上昇すると、水不足で危険にさらされる人は 9 億人増加する。2 ℃上昇すると 25 億人、さらに 2.5 ℃上昇すると 31 億人増加する。

 これ以外にも海水上昇問題を含む環境崩壊問題や病気が発生しやすくなるなど、2 ℃上昇するだけで加速的に様々な被害が出ることがわかったことから、2 ℃を超えるべきではないと断言されているのである。

 2100年後には 3 〜 4 度さらに上昇すると見込まれているが、これを回避するには、10 年をピークに大幅に下げていく必要があり、2050 年には現在の半分にしなければならない。

 地球シミュレーションによる計算によって、この 2050 年には、日本などの先進国は 60 〜 80 %の削減が必要となると想定されている。



 さて…。これまで育ててもらった地球と他の地球生物のために、弛まない努力を始めよう…。

 少なくとも、生態系を維持して、飲み物と食い物は確保しなければならないからという生存するための重要な理由もある。

 2050 年というなら、ギリギリか。2080 年といえば、ほぼ昭和半ば後半に生まれた私は確実に他界しているだろうが…(微笑)

 あとは、人類の子孫たちにゆだねるしかない。

 果して、現在の地球生物は、生き残ることができるであろうか…?
posted by seed at 08:28| Comment(0) | TrackBack(2) | frontiers | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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気候:温度感受性とフィードバック
Excerpt: 地球温暖化問題に取り組むに、物理的見解としてまず注目視されているのが、炭素分解の温度感受性と気候変動へのフィードバックについてである。
Weblog: BlogPet で 伊達 に science
Tracked: 2006-04-18 12:57

本当に宗教が大の嫌いなんですが…
Excerpt: 人為起源エアロゾルを促進させている一つの問題として、宗教を信仰すれば救われるとするその方向性が地球温暖化を促進させている場合もある。
Weblog: 梵の茶の間
Tracked: 2006-04-18 13:13
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