2006年01月21日

地球温暖化:植物は意外にも環境に優しくない?

 植物はメタンを撒き散らして地球温暖化に荷担しているらしい。

 大気中の温室効果ガスのかなりの部分は植物が原因だということがわかった。

 植物が放出するメタンは、年間発生量全体の実に 10 〜 30 % に相当するらしい。

 これは、京都会議で参加各国に割り当てられた量から考えれば、我々には気が遠くなるほどの、相当大きな量である。

 この発見は意外なものであるのは言うまでもない。

 何故なら、それは、植物がメタンを生成するのは酸素が内条件下のみであると考えられてきたからである。

 今回、F Keppler らは、酸素の存在する普通の条件下でも、さまざまな植物がメタンを放出していることを見出し、また、メタンは枯死した植物体からも出ているという。

 D Lowe は News and Views で「新たな発生源が見つかったことで、地球のメタン収支を再検討する必要が出てきた」と論評している。

 今回の発見は、熱帯雨林上空に見られる大規模なメタン上昇を説明できるかもしれない。

 Keppler らはまた、地球上の急速な森林破壊が大気中のメタン蓄積速度低下と関連しているのではないかとも考えている。

 論文中において、「新たな森林は、CO2 の吸収源として地球温暖化を抑止するのではなく、メタン放出によってかえって温暖化を促進するのではないかという不安を我々は抱えることになった」と Lowe は News and Views で述べている。

 実際に、同号の news では、この他にも、植物が温室効果ガスのメタンを生産するとの発見に、植物生理学者や気候学者が困惑している状態が報道されている。
参考文献:
nature Vol 439 | Issue no.7073 | 117-242 | 12 January 2006 / News p.128 / Methane finding baffles scientists / Quirin Schiermeier Additional reporting by Mark PePlow

nature Vol 439 | Issue no.7073 | 117-242 | 12 January 2006 / News p.128 / How could we have missed this ? / Q. S. & M. P.

 少なくとも、陸上の植物群落は大量のメタンを放出しているというこの予想外の発見が確かなものだとわかれば、温室ガスの収支とメタン供給源の両方に大きな影響を与えることは間違いないだろう。 
参考文献:
nature Vol 439 | Issue no.7073 | 117-242 | 12 January 2006 / News and Viws p.148 / Global Change : A green source of surprise / David C Lowe

 メタンは重要な温室効果ガスの 1 つであり、産業革命以前と比較して大気中濃度がほぼ 3 倍に上昇している。

 このガスは大気の酸化的化学反応で中心的な役割を果し、成層圏のオゾン量および水蒸気量に影響を及ぼしている。

 天然の供給源に由来する地球大気中のメタンは、無酸素的環境における生物学的過程から生ずると考えられている。 

 下記に「陸上植物による好気条件下でのメタン放出」について報告されたものを示す。
参考文献:
nature Vol 439 | Issue no.7073 | 117-242 | 12 January 2006 / Letter p.187 / Methane emissions from terrestrial plants underaerobic conditions / マックス・プランク核物理学研究所(独) F Keppler et al.

 本研究では、炭素の安定同位体を用い、これまで知られていなかった過程によって有酸素条件下の陸上植物でメタンが in situ で容易に生成されることを示している。

 損なわれていない植物および切り離した葉がともに相当量のメタンを放出することが、実験室および屋外でのインキュベーション実験で認められた。

 今回の測定値が寿命の短いバイオマスに対する一般的な数値であるとして、これを地球全体に換算すると、生きている植物は 62 〜 236 Tg yr−1 、落葉落枝などは 1 〜 7 Tg yr−1 もの規模のメタン源になるものと推定される( 1 Tg = 1012 g )。

 今回見出された、メタン供給源は地球のメタン収支に重要な意味を持ち、過去の気候変化に天然のメタン供給源が果してきた役割の再検討が必要となると考えられる。



 素晴らしいかな…。実に見事である。物理学分野からの研究による事細かい計算がぎっしりと成されている…。

 実は、これは、生物学の死角となっていたところである。実のところを言えば長年私が知りたかった部分でもあった。

 今後は、多方面において、さらなる詳細の研究が必要となるだろう。


 近年、温暖化対策にと緑のミュージアム等があちらこちらで開かれたり、街中で緑地化を試みているケースが見られて来たが、それが首を絞めているとしたら、環境対策保護で農業を促進させたのが仇と化して農業によりメタンが増倍するのと同じケースとなる…。

 それを考えると、研究者の早急な対応が必要となるだろう。


 さて…。いよいよ、地球温暖化対策が難しくなってきたのではあるが、私はまったく諦めていない。

 ゲノムや材料や物理学同様、現在のテクノロジーを駆使して突き詰めて研究すれば、必ず何かしらの知見や対策を見出せるものだと私は考える。

 しかし、これまで蓄積してきた知識で考えれば、真実はヒトにとって良い結果を生まないものである可能性が大きいものであろうと私は推測する。

 が、しかし、その事実が欲望に暴走するヒトの行為を制御する目安となるかもしれない。


 ところで、私は物理的な意味合いで生物多様性に則した生態系維持の環境保護ためにできる限りの努力をしてはいるが、それはヒトとしての罪滅ぼしとして行動しているだけで、少なくとも、善意や道徳心、或いは自己利益のためにやっているわけではない。

 つまり、地球を生かすために、自らがデメリットとリスクを背負おうというやり方である。

 その話の流れで理論展開をしているので、一般とは違った見解をもつのかもしれない。


 …というより、率直な話、「森林や植物さえあれば温暖化は防げる」といった一般的な知見は、やはり、ヒトの都合の良い考え方だけに過ぎなかったのだと、やっと大きな声で言える時がきたようである…。

 下手な道徳心は温暖化を促進するだけだというモデルは、一律にして言える。

 生物多様性において、植物が年間発生量全体の実に 10 〜 30 % のメタンを放出しても何の不思議もない。

 …というより、本当の問題は、とかく、人口が多過ぎるだけなのである…。

 つまり、ヒトも他の生物と同様に自然の法則に従うことが、本当の意味での秩序であり、本当の意味での道理とするところだと私は考えている。

 おそらく、人口が少なくなれば、必然的にメタン収支はローコストで且つ自然環境内のシステムだけで循環するようになると思われる。

 仮に、メタンの増大を防ぐための生物を人口的に大量発生させた場合、生態系が大幅に崩れる可能性も考えられるため、人工的にメタン増大を消失させる機械でも作らない限り、とどのつまり、それしか方法がないのかもしれない…。

 それか、そもそもの地球環境の流れがグローバル(統計的)な意味合いで温暖化になる設定となっているのなら、バブルのように次ぎの新しい流れと行くところまで行って、破壊・崩壊→再生よろしく、絶えるだけ絶えて後は次ぎの生態系の担い手にバトンタッチするかである。

 それまで地球という惑星がタフであることを祈ろう…。

 何故なら、ヒトである自分も両親も、地球に生かされてきたからである。
posted by seed at 17:39| Comment(0) | TrackBack(0) | discovery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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