2010年09月21日

宇宙:初期宇宙のクエーサーをとらえる

赤方偏移 z≈6 という、宇宙が 10 億年よりも若く、現在の年齢のわずか 7 %だった時代に位置するクエーサーは、 40 個以上発見されています。

意外なことに、これら遠方のクエーサーの性質は、もっと赤方偏移が小さいものとほとんど区別が付かないようにみえるので、進化した天体であると考えられてきました。

今回、 z≈6 にある、高温の塵からの放射を伴わないクエーサーの 2 個目が発見され、また他のクエーサーから、高温ダストは中心のブラックホールの成長に連動して蓄積することを示す証拠が得られたので、これらの極めて遠方にあるクエーサーは、実際に赤方偏移が小さいものよりも進化していないことが確認されました。

塵を伴わないこれら 2 個のクエーサーは塵のない環境で生まれ、非常に若いために観測可能な量の塵をその周囲に生成しなかった、第一世代のクエーサーなのかもしれません。


### database ###
nature 464,317-456 18 March 2010 Issue no.7287
Letter p.380 / Dust-free quasars in the early Universe / L Jiang et al.(University of Arizona)
News and Views p.359 / Astrophysis : First generation of Quasars / Giulia Stratta



宇宙の遠方で見つかった 2 つのクエーサーは、その環境中に高温ダストがないように見えます。
これは、これらが第一世代のクエーサーであることの証拠となります。


既知のクエーサーで赤方偏移 z≈6 という最も遠方に位置するものの特性は、静止座標系の紫外線 / 可視光および X 線バンドにある、もっと低赤方偏移のクエーサーのものと、一般に区別できません。

この不可解な結果は、これらの赤方偏移で宇宙が現在の年齢のわずか 7 %であったにもかかわらず、これら遠方のクエーサーが進化した天体であることを示唆しています。

最近、 z≈6 にあるクエーサーの一つで、高温ダストからの検出可能な放射が全くみられないことが示されましたが、それが高赤方偏移での高温ダストの特性の違いを示すのか、あるいは単なる異常例なのかはわかっていませんでした。

本論文では、 z≈6 の 21 個のクエーサーのサンプル中で、高温ダストからの放射がみられない 2 つめのクエーサーを発見したことを報告しています。

高温ダストが見かけ上含まれていないこのようなクエーサーに対応する天体は、低赤方偏移では見つかりません。

さらに、 21 個のクエーサーの高温ダストの存在量が中心のブラックホールの成長と並行して増加するのに対して、低赤方偏移では、存在量がブラックホールの質量にほとんど依存していないことを示します。

したがって、 z≈6 のクエーサーは実際に、急速な質量降着とダスト形成を伴う、初期の進化段階にあります。

高温ダストが含まれていない 2 つのクエーサーは、ダストのない環境で生成し、あまりに若すぎてその周辺に検出可能な量の高温ダストがまだ生成されていない、第一世代のクエーサーらしい。

posted by 藤次郎 at 13:16| Comment(0) | TrackBack(0) | model case | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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