2010年03月04日

免疫:自己免疫における T 細胞の挙動

中枢神経系の組織は、細胞だけでなく、血中に循環しているほとんどの高分子が透過できない特殊化した血管によって、循環血液から効果的に遮断されています。

この一見完璧な隔絶にもかかわらず、中枢神経系組織は免疫系に監視され、自己免疫性の攻撃を受けることがあります。

今回、Lewis ラット実験的自己免疫性脳脊髄炎モデルで生体内二光子画像化法を使い、T 細胞が最初に脳に到達してから自己免疫疾患が発症するまでの、エフェクター T 細胞と脳の構造との相互作用過程をリアルタイムで示されました。


### database ###
nature 462,1-126 5 November 2009 Issue no.7269
Letter p.94 / Effector T cell interactions with meningeal vascular structures in nascent autoimmune CNS lesions / I Bartholomaus et al. (Max Planck institute for Neurobiology)
news and views p.41 / Immunology : In the beginning / Richard M.Ransohoff


多発性硬化症のモデル系である実験的自己免疫性脳脊髄炎ラットの二光子顕微鏡を使った研究から、自己免疫疾患を引き起こす血中の T 細胞は、まず脊髄髄膜の脈管構造の内部表面に直接くっついて表面を調べるように移動し、血流の方向に逆らってはうように進む場合もあることが明らかになりました。

T 細胞は、脳血管関門を突破してしまうと抗原を提示している貪食細胞と会合し、それによって分化が一層進み、組織に浸潤していきます。

T 細胞との相互作用に関与する構造は、自己免疫性脳疾患に対する治療目的として有望な候補となるだろうと考えられています。

posted by 藤次郎 at 00:54| Comment(0) | TrackBack(0) | discovery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/142697951

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。