2008年06月18日

地震:粉粒体媒質の固着すべりに対する音波の影響

 地震波によって発生した微小な歪が、場合によっては原因となる自身から数千キロメートルも離れた遠隔地で地震を誘発させることがあり、破壊は地震波が通過した後かなり経ってから起こることが多いが、その仕組みはまだわかっていない。

 地震核形成は通常、深さ 10〜20km で生じ、静的な荷重は十分大きく、地震波の応力摂動による地震の誘発を妨げるはずである、とカリフォルニア大学ロスアラモス国立研究所の P. A. Johnson らはいう。

 動的な地震誘発の物理学的性質と、地震の再来に対する動的応力の影響を更に解明するために、音響振動を加えた場合と加えない場合の粉粒体媒質の固着すべりを実験によって調べた。

 この実験では、ガラスビーズを用いて断層帯の粉粒体をシミュレートし、一定の法線応力下で剪断変形させ、音波より一時的、あるいは持続した摂動を加えたものである。

参考文献:
nature Vol 451 | Issue no.7174 | 1-106 | 3 January 2008
Letter p.57 / Effects of a acoustic waves on stick-slip granular media and implications for earthquakes / カリフォルニア大学ロスアラモス国立研究所(米) P. A. Johnson et al.


 本論文では、誘発された余震に対応する規模の小さい地震は、音波の振幅が数 microstrain を超えたときに発生することを示している。

 このような破壊は、多くの場合遅れて、あるいは、継続した小さな破壊の一部として起きる。

 振動を加えることで大きなすべりも起こるが、これは、波による摂動がない場合に比べて時間的にはなれて発生する。

 このような影響は振動が止まった後に起きる大きなすべりの多くで見られるが、これは、粉粒体に歪が記憶されていることを示している。

 テクトニック断層の動的応力は、地震再来現象の複雑性を決定する上で、これと同様の役割を果たしている可能性がある。

posted by 藤次郎 at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | scientific situation | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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